愛知県がんセンター病院臨床検査部 蒲 貞行
《供覧症例;症例4−3》
《供覧症例;症例4−3》
<56歳、女>
<臨床経過>
6ヵ月前に右鼻出血、鼻閉があり、近医受診、鼻筍と言われ、今回A病院に転院した。入院間もなく、右鼻腔内腫瘍摘出術と右上顎洞開放術(供覧写真)が施行された。
<CBCデータ>
右上顎洞開放術実施予定当時
WBC 4,300/μl、 RBC 429×104/μl、 Hg 13.8g/dl/μl, Plt
19.7×104/μl、
血液像: eosino 1%, stab 14%, seg 53%, lymph 28%, mono4%
<供覧写真>
(クリックすると元のサイズで見られます)
右上顎洞開放術にて摘出された腫瘍のスタンプ標本.
メイ・ギムザ染色: 1. 対物×100 2. 対物×100
パパニコロウ染色: 3. 対物×100 4. 対物×100
1. 対物×100(メイ・ギムザ染色)
2. 対物×100(メイ・ギムザ染色)
3. 対物×100(パパニコロウ染色)
4. 対物×100(パパニコロウ染色)
<提案理由>
→解答:右上顎洞原発悪性黒色腫
悪性黒色腫は極めて悪性の腫瘍で、細胞形態学的に1. 類上皮細胞型、2. 紡錘細胞型、3. 小細胞型
(外科病理学、文光堂)等に大別され、多くは細胞質内にメラニン顆粒を有するが、顆粒を認めない症例にも遭遇する。なお、細胞質内にメラニン顆粒を認めない症例でも、病変の一部にメラニン顆粒を有する食細胞が混在し、診断上の一助となる場合がある。1.〜3.型の内、造血器腫瘍と鑑別を要するのは小細胞型でメラニン顆粒を認めない症例である。また、本病変は神経性の腫瘍であり、出現細胞の一部に結合性所見も認められる。本症例は、小細胞型で、大部分胞体内にメラニン顆粒を認めず、また結合性所見も見られない症例であり、造血器腫瘍(び慢性大細胞型、等)と鑑別を要するが、メラニン顆粒を有する食細胞が散見され、診断上の有力所見となった。