愛知県がんセンター病院臨床検査部 蒲 貞行
《供覧症例;症例4−2》
<17歳、男>
<臨床経過>
4ヵ月前に左胸壁腫瘤に気付き、発熱、胸部痛のため近医受診。当初胸膜炎としての治療を受けたが改善せず、今回A病院に転院した。腫脹は9×9cm大、弾性、表面平滑、不動性であり、腫脹部の穿刺細胞診(供覧写真)が実施された。また、CTでは肋骨の破壊像が認められた。
<CBCデータ>
腫脹部の穿刺細胞診が実施された当時
WBC 8,200/μl、 RBC 481×104/μl、 Hg15.8g/dl, Plt
30×104/μl、
血液像:baso 1%, eosino 5%, stab 1%, seg 57%, lymph 29%, mono7%
<供覧写真> (クリックすると元のサイズで見られます)
初回入院3年後、左頚部摘出リンパ節のスタンプ標本.
メイ・ギムザ染色: 1. 対物×40 2. 対物×100 3. 対物×100
パパニコロウ染色: 4. 対物×100
PAS染色: 5. 対物×100 6. 対物×100
1. 対物×40(メイ・ギムザ染色)
2. 対物×100(メイ・ギムザ染色)
3. 対物×100(メイ・ギムザ染色)
4. 対物×100(パパニコロウ染色)
5. 対物×100(PAS染色)
6. 対物×100(PAS染色)
《提案理由》
→解答:胸壁原発"Ewing肉腫"
"Ewing
肉腫"では、リンパ芽球型リンパ腫や神経芽細胞腫との鑑別が必要である。
中型でN/C比大、クロマチンが繊細な円形の腫瘍細胞が、散在性もしくは細胞集塊として出現し、ロゼット形成は、神経由来を示唆する所見と考えられ、リンパ芽球型リンパ腫との鑑別は可能である。 また、PAS染色では小塊状(+)所見を示し、通常PAS染色(-)である神経芽細胞腫と鑑別し得る。
本病変は"Ewing
肉腫"と呼ばれかつては起源不明の腫瘍とされてきたが、現在では神経性の腫瘍と理解されている。