日本検査血液学会の設立にあたり
初代 理事長 渡辺 清明 (慶應義塾大学医学部)
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日本検査血液学会(The Japanese Society for Laboratory Hematology, 略称JSLH)が今年3月25 日に正式に設立された。 本学会は血液検査に拘わる先生方および臨床検査技師の方々の多大な努力で設立された訳であるが、その設立経緯と活動方針は以下の如くである。 臨床検査領域においては、日本臨床病理学会を中心に学会活動が行われている。しかし、一方では臨床化学・免疫、微生物、病理、輸血などの検査領域では各々の学会が設立されている。すなわち、日本臨床化学会、日本臨床微生物学会、日本細胞診学会、日本輸血学会などがそれに当たる。 血液学的検査の領域では、従来日本血液学会、日本臨床血液学会が存在するが、これらの学会において血液検査に関して学会活動する場は非常に限られていた。 このような学会潮流の中にあって、血液検査学の領域でも、専門学会の必要性が論じられてきた。また、国際的にも国際検査血液学会(International Society for Laboratory Hematology,略称ISLH)が設立されているにも拘わらず、日本において受け皿となる学術団体がまったく存在しない事も学会設立の要望理由の一つであった。 つまり、ここ数年来このような事情があって、血液検査室に従事する検査医、臨床検査技師、血液専門医などを中心に、血液学的検査に関わる研究、教育、検査業務に対応する学会が我が国にも必要であるとの機運が盛り上がって来たのである。 具体的には、3年位前から日本臨床病理学会血液部会で、血液学領域においては医師と技師が臨床検査に関して交流できる適当な学会が存在しないと言う事で、血液領域でも検査血液学会(仮称)の設立する必要性が論じられてきた。 そして、一昨年暮れに血液部会の医師の代表、日本臨床衛生検査技師会の代表、日本血液学会、臨床血液学会の代表が集まり、医師と技師が互いに交流し、臨床血液検査医学における研究と教育を推進するための学術団体(日本検査血液学会)を設立する旨の承認がなされた。そして、それを受けて昨年8 月に日本検査血液学会発起人会が発足し、その後10月、11月に2回、計3回会議が開催された。その中で学会の基本方針、活動内容、会則、評議員候補などが審議され、これらに関する基本案が作成された。 本学会は「血液検査について語り学ぼう」というキャッチフレーズで、医師や技師や企業の血液検査に関わる人たちが一体となり、血液学的検査の実践・研究・教育について、学術集会・学会誌や図書の発行・講習会を通じて情報交換し、社会に情報を発信してゆくものである。 また、活動目標は「検査血液学の向上」であり、臨床上の研究課題としては(1)血液疾患診断法の研究(2)血栓止血異常の診断法など、血液検査学的研究課題としては(1)血液検査の標準化(形態学・フローサイトメトリー・自動機器など)(2)新しい検査法の開発(3)検査診断システムの確立など、教育活動としては(1)検査指針に関する啓蒙活動(2)血液認定検査技師制度の推進(3)学術集会・講演会などの開催や会誌発行などを、関連学会との研究協力体制を構築しながら推進していくことを掲げている。 評議員は全国レベルから、医師約130名、技師約110名が選出された。事業活動の円滑のため各種常置委員会の設置が承認されている。 第一回学術集会と総会は本年7月22、23日の両日、東京大学構内で中原一彦大会長のもとで開催され、予想を上回る盛況の中に幕を閉じた。この第一回の学術集会の成功はまさに本学会への期待の大きさを表している。今後の運営をすすrにあたり、身の引き締まる思いであった。 なお、本学会そのものの事務局は〒160-0016東京都新宿区信濃町35信濃町煉瓦館2階、国際医学情報センター内(Tel/Fax03-3350-9053)に設置してある。入会など学会に関するお問い合わせはこちらにご連絡頂ければと思う。なお、会費は一般会員5,000円である。 是非、積極的に学会会員になって頂き、本学会を通じて血液検査の最新の技術や研究動向などを学んで頂きたい。 最後に、このような学会が設立されたが、今からは分化と統合の時代である事を考え合わせ、単に血液検査の専門学会を作れば良いという発想でなく、日本臨床病理学会や他の血液の専門学会との関連を十分考慮しながら慎重に学会を運営して行く必要がある事を強調したい。 |